以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。
Q0447
「操」という漢字は今は16画ですが、昭和45年ごろは17画と数えた、という話を聞いたのですが、本当ですか?
A
いやはや。漢字の画数は、そんな短い期間に変化するものではありませんよ。今、数えて16画ならば、昭和45年でも明治45年でも同じく16画です。心配は要りません。
その証拠として、明治45年刊の浜野知三郎『新訳漢和大辞典』の総画索引を掲げておきましょう。きちんと16画のところに「操」が収まっているのが、ご覧いただけるかと思います。
ただし、姓名判断の世界では、「操」を17画と数えることもあるようです。その理由は、「てへん」にあります。「てへん」は通常3画ですが、本来は「手」が変形したものなので、「手」の画数4画にさかのぼって数える、という姓名判断の流派があるそうなのです。そのあたりの事情は、Q0235やQ0346でご説明したのと同じです。
私は、姓名判断の世界には詳しくありませんから、それ以上のことはよくわかりません。ひょっとすると、昭和45年ごろのそのスジでは、「てへん=4画」派が大流行していて、最近、「てへん=3画」派が取って代わった、なんて事情があるのかもしれませんね。
よくはわかりませんが、姓名判断とは人の幸せを願って存在しているものだろうと思います。であれば、自分にとって一番幸せなのはなんなのかをよく考えて、個々の姓名判断と付き合っていくことが重要でしょう。