以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。
Q0346
「達」という漢字の画数を調べていたら、12画と13画と16画の3通りが見つかったのですが、どこをどういうふうに数えると16画になるのですか?
A
これはおそらく、Q0235と同じで、姓名判断の世界でのことだと思います。
「達」をごくごくふつうに数えると、12画になります。「しんにょう」の部分が3画、それ以外の部分が9画です。ところが、いわゆる旧字体になると「しんにょう」は点が1つふえて4画になるので、「達」の旧字体も13画になるわけです。
ここから先が、姓名判断の世界になります。Q0235でもご説明したとおり、姓名判断では、流派によって「部首の画数は、『康熙字典』の部首画数を用いる」ということになっている場合があるのです。たとえば「さんずい」は「水」が変形して生まれた部首だとされています。そこで『康熙字典』では、「さんずい」を含む漢字は「水」の部首に収録しています。「水」は4画ですから、部首画数は4画となります。そこで「さんずい」は4画で数えなくてはならない、というわけです。
さて、問題の「しんにょう」ですが、この部首は本来、図のような形をしていました。これが省略されて、現在私たちが使っているような形になったのです。そこで、『康熙字典』の部首としてはこの形になっていて、画数も7画になっているのです。その結果、「達」の場合も、9+7=16というわけで、16画で数えるということになるわけです。
なになに?姓名判断ではどうしてそんな数え方をするのかって?
私は姓名判断の専門家でもなんでもないので、残念ながらそこまでは存じ上げません。世の中には、さまざまな神秘が満ちあふれているようですから、これもその1つだということでしょうか。