当館では、『大漢和辞典』を始めとする漢和辞典を発行する大修館書店が、漢字や漢詩・漢文などに関するさまざまな情報を提供していきます。

漢字Q&A

漢字Q&A

以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。

Q0442
「均」という漢字の6画目は点のようにすると子供が言うのですが、横棒のようにして止めるのではないのですか?

A

これは、困った問題です。
044201現在、日本で漢字の字体の規範となっているものは『常用漢字表』ですが、この表では「均」は図の左のような形で掲載されています。ところが、小学校の教科書で使われる字体を定めた学習指導要領の「学年別漢字配当表」では、図の右のような形になっているのです。両者を見比べればわかるように、片や横棒、片や点になっているのです。
国の定めた基準がこのように食い違っていては、困ります。しかし、困ってばかりいてもらちが明きませんから、この両者をよく眺めてみることにしましょう。すると、『常用漢字表』(左)の方はいわゆる明朝体で、「学年別漢字配当表」(右)の方はいわゆる教科書体であることがわかります。教科書体とは、小学校での漢字学習に配慮して、手書きの字に近くなるようデザインされた書体ですから、手書きの場合には、「均」の6画目を点のように書いてよい、と解釈することができそうです。
Q0385で少し触れたように、漢字の中には、活字と手書きとで字形が微妙に異なるものがあります。「均」をその1つとするのはちょっと苦しい気もしますが、当面、そのように考えておくしかなさそうです。
それにしても、こういう食い違いは、果ては親子ゲンカの種にすらなりかねません。要は、どちらで書いても間違いではない、ということが重要です。世のお父さん、お母さん!そこをしっかりと押さえて広い心で子どもに接するのが、大人の対応というものですよ!

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