以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。
Q0368
パイナップルを漢字で書き表すと、どうなりますか?
A
パイナップルの英語のつづりは、pineapple。これは、pine(マツ)とapple(リンゴ)とに分解できます。なんでも、形は松ぼっくりに、味はリンゴに似ているというのでpineappleと名付けられたそうです。そうならば、漢字で書くと「松林檎」となりそうなものですが、どうやらそうは問屋が卸さないようです。
パイナップルの原産地はアメリカ大陸で、中国や日本には、ヨーロッパ人を通じてもたらされました。日本では沖縄で栽培されていますが、台湾での栽培も有名です。そこで、戦前、日本の植民地であったころに発行されていた『台湾日日新聞』などを当たってみたところ、「パイナツプル」「パイン」などに混じって、パイナップルのことを「鳳梨」と書き表しているのが見られました。中国語では、パイナップルのことをこう書きますから、それをそのまま使っているのでしょう。
と、ここまで調べたところで、数年前、台湾に旅行したときに食べたパイナップル・ケーキのことを思い出しました。そう言われてみれば、あの包装紙にもたしか「鳳梨」と書いてあったぞ!
とはいえ、そんな昔のパイナップル・ケーキが我が家に残っているはずもなし(あったらあったで恐ろしい!)。そこで、そのときの写真を一生懸命探してみたのですが、残念ながらパイナップル・ケーキの映っているものは見つからずじまい。代わりと言ってはなんですが、写真のようなものが出てきました。どうやら、台湾ではアスパラガスのことを「蘆筍」と書くようです。
あ、ちなみにこのアスパラガス・ジュース、恐る恐る飲んでみましたが、意外とおいしかったですよ。