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漢字Q&A

漢字Q&A

以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。

Q0432
漢字の「力(ちから)」とカタカナの「カ」は、同じですか?

A

同じかどうかと聞かれると、それは違う、とお答えすることになるのでしょうね。たとえば、数字の「0」とアルファベットの「O(オー)」が同じかどうかと質問されたら、たいていの人は、形は同じでも違う字だよ、と答えることでしょう。
とはいえ、漢字の「力」とカタカナの「カ」の場合は、もう少し複雑な事情があります。
仮名というのは、日本人が発明した文字ですが、その源は漢字にあります。ひらがなは、漢字のくずし字から出発したもので、カタカナは、漢字の一部分を独立させたものが起源となっているのです。
「カ」の場合、元になっている漢字は「加」だとされています。「か」という発音を表すために、音読みでカと読む「加」を借りてきて、全部書くのはめんどくさいのでその一部で代用することにした、というわけです。
そこで、今回のご質問は、「加」の左半分の「カ」は、はたして「力(ちから)」と一緒なのか、と言い換えることができるでしょう。ところが例によって、「加」の成り立ちについては諸説あって、はっきりとしたことはわからないのです。
ただ、幸いなことに、どの字源説も、「加」を「力(ちから)」と「口(くち)」の2つに分解することでは一致しているようです。つまり、漢字の「力」と「口」が合わさって「加」が生まれ、そこからカタカナの「カ」が生まれた、ということになります。
世の中にはたまに、外見がそっくりな親子がいるものです。でも、いかに血がつながっていても、いかに姿形が似ていても、別人は別人。漢字の「力」とカタカナの「カ」も、そんなふうに理解すればいいのではないでしょうか。

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