以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。
Q0139
「日付」を「日付け」と書くのは、間違いなのですか?
A
このご質問は、基本的にはQ0080にあった「受付」「受け付け」と全く同じです。詳しくはそちらを見ていただくとして、送り仮名については文部省(現・文部科学省)が定めた決まりがあって、それに従うと、慣用に従って「日付」と書くのが「正しい」、ということになります。国語辞典などを見ても「日付」しか載っていないのは、ここに理由があります。
それにしても、送り仮名の付け方はややこしいですよね。私も正直、迷うことや間違うことが多くあります。「日付」と同様の例で迷うことが多いものを挙げてみると、「取締役」「書留」「割引」「手当」「置物」「立場」「受取」などがあります。やや特殊なケースですが、他にも「売上金」「取扱所」「乗換駅」などもあります。これらは全て、慣用に従って送り仮名を付けないのが「正しい」ということになっているのです。
でも、こういった例外的なものを除けば、大原則としては、次のようになるんだろう、と思います。
1 活用のある語は、活用語尾から送る。
2 活用のない語は、送り仮名を付けない。
3 派生語・複合語は、元の語の付け方に従う。
これだけであれば簡単なはずなんですが、そこに「行う」を「行なう」、「申し込む」を「申込む」と書いてもよい、という「許容」や、「受け付け」でなく「受付」、「日付け」でなく「日付」と書く、という「慣用」が入ってくるので、ややこしくなるのです。とても全ては覚えきれません。
しかし、「日付け」と書いたからといって、罰金を払わなければいけないというわけではありません。漢字はとどのつまりコミュニケーションの道具ですから、要は、相手にわかるように書けばよいのです。
それくらいの軽い気持ちになって、あとは上の3つの法則だけ頭にいれておく、というのが、現実的なのではないかと思います。もちろん、フォーマルな場合には、辞書を引くことを忘れずに、ですが。