以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。
Q0063
小学校では各学年で習う漢字が定められていますが、中学校や高校にも同じようなものがあるのですか?
A
小学校で学習する漢字は、『小学校学習指導要領』の「学年別漢字配当表」の中で定められています。現在、1年から6年までの各学年に配当された漢字を合計すると1006字になりますが、これらを教育漢字と呼んでいます。教育漢字は全て、常用漢字に含まれています。
現行の『小学校学習指導要領』では、各学年の配当漢字は「読む」ことができればよい、とされ、書くことが求めらるのは1つ上の学年、ということになっています。これら教育漢字の一覧については、当館の「漢字文化アーカイブ」をご参照ください。
中学校には、小学校のような具体的な配当表はありません。現行の『中学校学習指導要領』では、読むことに関して、1年生で教育漢字に加えて「その他の常用漢字のうち250字程度から300字程度まで」、2年生ではさらに「その他の常用漢字のうち300字程度から350字程度まで」、3年生ではさらに加えて「その他の常用漢字の大体」を学習することになっています。一方、書くことに関しては、3年間を通じて教育漢字の範囲でよいとされているようです。
ここまでをまとめると、義務教育が終わった段階で、常用漢字の大体が読めるようになり、教育漢字が書けるようになることが求められていることになります。そうすると、教育漢字以外の常用漢字が書けるようになることは、求められていないのでしょうか?
その答えは、『高等学校指導要領』の「国語総合」という必修科目の中にあります。この科目において、「常用漢字の読みに慣れ、主な常用漢字が書けるようになること」と定められていますので、この科目の履修が終わった時点で、常用漢字の大体の学習が完結する、というしくみになっているようです。
まあ、以上はあくまで文部科学省が定めた「しくみ」であって、現実がどうなっているのかは存じませんが……。