当館では、『大漢和辞典』を始めとする漢和辞典を発行する大修館書店が、漢字や漢詩・漢文などに関するさまざまな情報を提供していきます。

漢字Q&A

漢字Q&A

以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。

Q0006
いったいどれくらいの数の漢字を知っていると、日常生活では十分だといえるのでしょうか?

A

世の中で実際に使われている漢字の種類というのは、実はかなり膨大なものがあります。文化庁国語課が2000年に公表した「漢字出現頻度数調査」によりますと、調査対象となった、凸版印刷が組版した書籍385冊に出現する漢字の総数は、のべ3330万1934。種類別に分けると、実に8474種類の漢字が使われています。これによれば、この調査対象の書籍を全部読めるようになるためには8474もの漢字を知っておかなくてはならないことになるわけです。
しかし、あきらめないでください。この8474字のうち、上位2457字だけでのべ数の99%になるのです。つまりこの2457字を知っていれば、統計上からすると調査対象の書籍に出てくる漢字の99%を理解できることになるのです。99%では不安とおっしゃる方は、上位4208字まで勉強しましょう。そうすればのべ数の99.9%を理解できることになります。
4200字はきついですか?そういう人には別のデータがあります。同じ調査によれば、なんとわずか2602字(!)を知っているだけで、『読売新聞』2か月分に出現する漢字の99.9%を知っていることになるというのです。それでも2600字!
これらの調査には、非常に特殊な固有名詞や、学術用語なども含まれています。そのあたりを勘案すると、2500字くらい知っていれば新聞を読むには十分、さまざまな書籍を読もうと思うと3500字くらいあれば、ということになるでしょうか。逆に、新聞を読むのにあまり苦労していない人は、2500字くらいは知っている、ともいえるかもしれません。そう考えると、少しは気が楽になるでしょうか。

  • facebookでシェア
  • twitterでシェア