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漢字Q&A

漢字Q&A

以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。

Q0522
「与」の旧字「與」は総画数14だと辞典に出ていますが、どうしても1画少なく数えてしまいます。どうして14画なのですか?

A

052201これは少々やっかいな問題ですね。たしかに、漢和辞典を調べてみるとこの字の総画数は14と13の両方あって、統一されていないのが現状なのです。
まずは、「與」の画数を13とする数え方を見てみましょう。図のように数えると13画となります。これを14として数えようとすると、6画目の一息に続けて書いた部分をどこかで区切って2つに分けるしかなさそうに思われます。
052202「與」を14画とするのは、18世紀に中国で作られ、現在の漢和辞典の源流となっている『康熙字典(こうきじてん)』以来の伝統です。この辞書には、「與」と同字として図のような漢字が4画として掲載されています。この漢字は「與」の問題の部分と形が似ていますから、おそらく、問題の部分はまず縦棒だけを引いて、そのあと改めてカギ形を書くという書き方が念頭に置かれているのだろうと推測されます。
以上からすると、「與」は14画とするのがよさそうに思えます。しかし、この数え方では、現在、一般的に「与」を3画と数えている数え方との間に矛盾を生じることになります。この点では、「與」を13画とする方に軍配が上がりそうです。
「与」はいわゆる新字体で、『康熙字典』には掲載されていません。「与」を3画とするのも、新字体が制定されて以降に定まったものです。つまり、「與」を13画とするか14画とするかというのは、新字体を受け容れるのか受け容れないのかという問題と、微妙にリンクしてくるわけです。
漢字の画数というと、姓名判断などに使われて、なにか大昔から決まっているようなものという印象があるでしょうが、実際には、なかなかデリケートな問題を含んでいるものなのです。

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