以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。
Q0518
「成」の画数は、6画ですか、7画ですか?
A
まあ、ためしに数えてみることにしましょうよ。そうすると、ふつうの人は6画だという結論に達することでしょう。いったいどこをどう数えれば7画になるんだろう、と首をかしげる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、7画の「成」も確かに実在します。というのは、この漢字は旧字体だと、微妙に字形が違っているからです。
図の左側は、私たちがいつも使っている新字体で、右側は旧字体です。違いは、赤丸の部分。ここの横棒が突き出ているので、画数が新字体よりも1画、多くなるのです。「成」は6画か7画かという疑問は、実はここに原因があったのです。
ちなみに「成」という漢字は、「戊」と「丁」が組み合わさってできた形声文字だと言われています。「丁」の音読みテイが、少し変化してはいるものの「成」の音読みセイを表している、というわけです。つまり、旧字体の問題の部分が右へ少し突き出ているのは「丁」の名残であって、それなりの意味がある、ということになりますね。
それはともかく、なんともまあ、微妙な違いですね。新字体と旧字体とは、大きく字形が異なるものが多いのですが、こんなに微妙なものもあるのです。