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漢字Q&A

漢字Q&A

以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。

Q0376
「並」「首」「前」「兼」などの冠になっているのは、なんという部首なのですか?

A

037601いずれも、部首の判別のむずかしい漢字ですね。ためしに漢和辞典の音訓索引から「なみ」を調べて、本文を検索してみると、「並」という漢字の部首は「一」になっていたり、あるいは「立」になっていたりすることがわかるでしょう。つまり、「並」の冠の位置にある図のような形は、部首ではないのです。
「並」の部首が「立」になっているのは、この字の旧字体が「竝」という形をしていたからですが、ご質問にある他の漢字の部首はどうなっているでしょうか。「首」の部首は「首」自身、「前」の部首は「りっとう」、「兼」の部首は「八」です。いずれも、慣れていなければ頭に浮かんでこない部首でしょう。
部首とは伝統的に、このような「検索しにくいもの」が含まれているものです。しかし、それでは困る、という考え方もあります。部首とは漢和辞典で漢字を見つけるためのものなのだから、検索しにくくては困る、というわけです。
そこで、ご質問で挙げていただいたような漢字に共通する部分を取り出して、新たに部首として定めている漢和辞典もあります。部首名としては、カタカナの「ソ」と漢字の「一」を組み合わせたように見えることから、「そいち」「そのいち」などと呼ばれています。
幸か不幸か、この部首はまだまだ一般的ではありません。漢字検定などでは、この部首を答えると×になってしまうかもしれません。しかし、部首を使いやすいように改変するというのは、ある意味でとても進歩的な考え方です。ひょっとすると、「そいち」が定着するような未来が、待っているのかもしれません。

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