以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。
Q0100
子供の名前に「遼」の字を使いたいのですが、この字の由来や意味を詳しく教えて頂けないでしょうか。
A
例によってこの字の字源にもいろいろな説があるようなのですが、諸説が一致しているのは、この字は「かがり火」に関係がある、という点です。この字は「燎」や「僚」「寮」などと共通する構成要素を持っていますが、この部分が、かがり火を写した象形文字だ、というのです。
意味としては、この字は、「はるか」「遠い」といった意味を持つ漢字です。ある説によると、昔、かがり火を焚いてはるか遠くの天を祀(まつ)ったことから、このような意味を持つようになったそうです。また別の説によれば、かがり火を長く連ねるようすが元々の意味だ、ということになっています。かがり火がめぐっていくようすだ、という説もあるようです。
どの説が正しいのか、といった詮索は学者先生に任せて、私たちとしては、「かがり火」「連ねる」「めぐる」「はるか」「遠い」などのイメージを楽しみたいところです。京都の大文字焼きのようなものを思い浮かべるもよし、薪能のようなかがり火を思い浮かべるもよし。幻想的なイメージが広がるではありませんか。
そんな空想をもてあそびながらあらためて眺めてみると、なかなかすてきな漢字だと思いませんか。