以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。
Q0096
漢字の音読みで、一番多い音読みはなんですか?
A
またまた、たいへんなご質問の到来です。この種のご質問は、一度じっくりと調べてみたいのですが、そんなことばかりしているとさすがに会社をクビになってしまいかねないので、ざっと調べたところで勘弁してください。
そもそも漢字の数そのものが限りがないことは、Q0003でも申し上げたとおりです。従って、その音読みの数を数えようとしたって、結論は出ないのです。しかし、そう言い切ってしまってはおもしろくもなんともありません。そこで、あくまで目安として、『大漢和辞典』の「字音索引」に載っている音読みの数に絞って、調べてみました。
とは言うものの「字音索引」、25字×10段×349ページもあって、収められている字音の延べ数は約8万6000と推定されますから、その字音別の数を数えて始めた日には、冗談でなく上司に叱られそうです。しかし、1番数が多い音読みはどれか、という目で見ていくと、おそらく、それはコウではないかと思われます。
コウは、足かけ12ページにわたって合計、2647字が収録されています。ざっと見た感じで2番目に多そうだったトウでも足かけ8ページですから、きちんと調べ直しても、コウの1位は動かないのではないでしょうか。
国語辞典では、「し」で始まることばが1番多いのが一般的です。そのせいか調べ始める前になんとなく多そうだと予想していたショウは、足かけ6ページに過ぎませんでした。日本語と中国語の違いなのか、それとも、漢字の数とことばの数の間には、あまり関係がないということなのでしょうか。