以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。

Q0094
私が聞いたところによりますと、一番画数の多い漢字は「たいと」ではなく、上に「龍」４つ下に「馬」３つの計94画で、テツと読む漢字が一番だそうですが、果たして実際はどうなのですか？

A

これはたいへんです！ 94画ですか!?
「一番画数の多い漢字」については、Q0026で取り上げたのですが、そこでご紹介したのは「たいと」の84画。ただしこの字は存在がはっきりとは確認されておらず、いわば「幻の最多画数漢字」だったわけです。それを上回る漢字が存在するのでしょうか？
いろいろ調べてはみたのですが、現時点では、上に「龍」４つ下に「馬」３つ、という漢字の存在を確認することはできません。読みはテツだというのですから、これはおそらく音読みで、そうだとすれば、中国製の漢字だということになりますが、中国の漢字辞書にもありません。中国のどこかのホームページにでもあるのでしょうか。
Q0026でご紹介したとおり、ＪＩＳ漢字（第１・第２水準）の中で最多画数漢字の１つが、「驫」でした。そして、『大漢和辞典』の中で最多画数漢字は「龍」４つの漢字で、その音読みはテツでした。これらを考えると、なにやら情報が混乱しているような気もしないではありません。この漢字について情報をお持ちの方がいらっしゃったら、ぜひともご連絡くださいますよう、お願い申し上げます。
それにしても「一番画数の多い漢字」というのは、けっこう人気のある質問のようで、ネット上で検索すると、いろいろとヒットします。ネットの世界では、いろんなウワサがつきものです。そのうち、100画を超える「幻の最多画数漢字」がある、なんてウワサが立ちそうな気も……。