以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。
Q0038
漢和辞典で「都」という字を調べようとしたのですが、部首索引の3画のところに「おおざと」が見つかりません。どうしてですか?
A
どうやら古い漢和辞典を大切にお使いのようですね。漢和辞典編集者としては、うれしい限りです。
さて、部首の「おおざと」は、もともとは「邑」(むら)という形が変形して生まれたものです。ちなみに「おおざと」という名前も、「むら=さと」に由来しています。それぞれの画数をあらためて数えてみると、「おおざと」は3画ですが、「邑」は7画になります。
というわけで、漢和辞典では伝統的に、「おおざと」は部首索引では7画のところに立ててあるのが普通です。昔の人はそれで不便を感じなかったのかもしれませんが、今ではさすがに使いにくく感じるのが当然というところ。現在の漢和辞典では、「おおざと」は7画と3画と、両方に立ててあるものが多くなっています。
実際のところ、漢和辞典で「おおざと」のところを眺めてみても、「邑」という形を現在まで保ち続けている字はほとんどありません。それでも部首索引の7画にも残しておくあたり、漢字の世界の伝統への「こだわり」も相当なものかもしれません。
ところで、部首の中には、このように見た目と違う画数で数えるものがいくつかあります。このことについては、当資料館内「大漢和辞典記念室」よくある質問Q5にまとめてありますので、そちらをご参照ください。