当館では、『大漢和辞典』を始めとする漢和辞典を発行する大修館書店が、漢字や漢詩・漢文などに関するさまざまな情報を提供していきます。

漢字Q&A

漢字Q&A

以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。

Q0035
「林檎」の「檎」の画数は、17画だと漢和辞典には出ていますが、16画の間違いではないですか?

A

漢和辞典を調べますと、この字は「木」へんの13画のところに出ています。「木」が4画であることには異論はないでしょうから、問題は「禽」の方にありそうです。
「禽」で画数が問題になるのは、下半分の「ム」のような形をした部分です。この部分を2画で数えるか、3画で数えるかによって、画数が違ってきてしまうのです。「禽」の下半分は、「ぐうのあし」とか「じゅうのあし」とか呼ばれる部首の形で、この部首に所属する漢字としては、「禹」(ウ。中国古代の帝王の名前)、「禺」(グ。おながざる)、「禽」(キン。鳥)などがあります。
003501図に掲げたのは、それぞれの漢字の篆文です。よく見るとわかる通り、現在では、「禽」だけが「ム」のような形で書かれることになっていますが、これらの漢字の下半分は、もともとは同じ形をしていたのです。その名残として、「禽」の画数を数える場合も、「ム」の部分を3画で数えるのが慣例となっているわけなのです。
その結果、この部分の画数は13画となり、「檎」の総画数は17画となります。同じような例として、「離」という字があります。こちらは、「隹」が8画、左側が11画で合計19画となります。

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