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漢字Q&A

漢字Q&A

Q0527
「巫女」の「巫」が人名用漢字になりました。名前でこの字を使う場合、どのような読み方ができるのでしょうか。

A

 2015年1月に「巫」が人名用漢字に加わりました。漢和辞典でこの字の意味を調べてみますと、小社の『新漢語林 第二版』では、「みこ。かんなぎ。舞楽をして神がかりの状態になり、神意を知り、これを人に伝えるという女性。もと、男女ともに巫といったが、後に女性を巫、男性を覡(ゲキ)と称した。」という意味を一番目に挙げています。読みはというと、ブ(漢音)、ム(呉音)、フ(慣用音。漢音・呉音などの音以外で、古くから用いられている音)の三つを掲げますが、人名用漢字は読みを指定されていないため、「名前で巫の字を使う場合、どのような読み方ができるのか?」という質問には、お答えできないのが実情です。(名前の読みについては、Q0077009203520526もご参照ください。)

 日本人の名前(下の名前)に使われるときに限って用いられる漢字の訓を「名乗(なの)り」と言い、比較的多く用いられてきたものは、漢和辞典の「名前」「名付」などの欄で知ることができます。人名用漢字に限定せずにこの名乗を掲載している小社の『広漢和辞典』を見てみたところ、「巫」には名乗の情報はありませんでした。名前に使える漢字に制限がなかった時代に「巫」の字を名前に用いたかどうか、確かなことはわかりませんが、少なくとも『広漢和辞典』では名前に用いられた場合の読み方を挙げていませんでした。この漢字の意味からして、名前に用いることは、あったとしてもそう多くはなかったのではないでしょうか。

 「巫」の名前での読み方を特定することはできませんが、「巫」の音訓(音読み・訓読み)は、読み方の第一の候補として挙げられるでしょう。「巫山(ふざん)」「巫術(ふじゅつ)」など、「巫」を用いた熟語の多くを日本では「ふ」の音で読んでいますから、名前でも「ふ」の読みを用いるのは自然でしょう。それでは、「巫女(みこ)」の「み」はどうでしょうか。次のQで考えてみたいと思います。(編集部)

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