以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。
Q0057
漢字で数を表す時、10分の1は割、100分の1は分、1000分の1は厘となりますが、もっと小さい数を表す漢字には、どのようなものがありますか?
A
こちらもQ0056と同様、諸説あるようですが、ものの辞典などを調べてみますと、おおむね以下のようになっています。
一 いち 1
分 ぶ 10分の1
厘 りん 100分の1
毛 もう 1000分の1
糸 し 10000分の1
忽 こつ 10の5乗分の1
微 び 10の6乗分の1
繊 せん 10の7乗分の1
沙 しゃ 10の8乗分の1
塵 じん 10の9乗分の1
埃 あい 10の10乗分の1
渺 びょう 10の11乗分の1
漠 ばく 10の12乗分の1
模糊 もこ 10の13乗分の1
逡巡 しゅんじゅん 10の14乗分の1
須臾 しゅゆ 10の15乗分の1
瞬息 しゅんそく 10の16乗分の1
弾指 だんし 10の17乗分の1
刹那 せつな 10の18乗分の1
六徳 りっとく 10の19乗分の1
虚 きょ 10の20乗分の1
空 くう 10の21乗分の1
清 せい 10の22乗分の1
浄 じょう 10の23乗分の1
こちらもまた、たいへんな数字です。ただ、気を付けていただきたいのは、この表にはおなじみの「割」が抜けている点です。ややこしいのですが、この表は、実際の数字を表す場合の表で、割合を表すときには、10分の1に「割」が割って入って、後は1桁ずつ繰り下がるそうです。
現代の最先端の科学技術では、「ナノテクノロジー」ということばがあります。この「ナノ」というのが、10億分の1のこと。10億分の1メートルの世界での先端技術ですが、これでも上記の「塵」にあたる程度。古代アジア人の想像力というのは、とにかく恐るべし、でしょう。