以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。
Q0367
「空」という漢字の部首は、「ウかんむり」ですか、「穴かんむり」ですか?
A
部首とは、字の形と意味とから、漢字を分類する方法です。そこで、たいていの場合、同じ部首に所属する漢字は、似たような意味を共有していることが多いのです。
「ウかんむり」の場合は「室」や「家」「宅」「宿」「寮」などに代表されるように、家屋に関係する意味を持つ漢字が多く集まっています。また、「穴かんむり」の場合は、文字通り「穴」に関係する意味を持つ漢字が多く含まれます。「究」は本来、穴の奥を探ること、「窓」は壁に作った穴、といった具合です。
そこで「空」ですが、この漢字には「むなしい」とか「うつろ」という意味があります。「空席」と言えば人がいない「うつろ」な座席のことですし、「空白」と言えば「むなしく」白い部分です。そう考えると、「空」という漢字には、中身のない「穴」と共通した意味があることがわかるでしょう。
というわけで、「空」の部首は「穴かんむり」だということになります。このように、部首を見分けるには、その漢字の持つ意味に立ち戻って考えるのが、1つの有効な方法です。