以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。
Q0021
「思」の部首は、「こころ」ですか「したごころ」ですか?
A
部首の名前について、公式に定められたものはありません。そこで慣用的に用いられてきた名前で呼ぶことになります。「心」部の場合、「こころ」と「したごころ」という2つの名称が一般的です。ここの2つを並べてみると、漢字の下半分にあるのを「したごころ」、そうでないのを「こころ」、と呼び分けているのではないかと予想されます。もしそうだとすると、“「恋」には「したごころ」があるが「愛」には「したごころ」はない”なんて、どこかのおじさんが飲み屋のママさん相手に雑学を披露するのにも都合がよさそうですね。
ところが残念なことに、実際には多くの漢和辞典では、特に「恭」「慕」などに見られる、図の赤い部分だけを指して「したごころ」と呼んでいるようです。したがって、学校の試験や漢字検定などでは、「思」の部首の名前は「こころ」である、としておくのが無難でしょう。