以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。
Q0303
「片」という漢字の部首は何ですか?
A
この漢字をじっと見つめていても、どうも部首になりそうな部分は見あたりません。強いて言えば「亠(なべぶた)」でしょうか。でも、漢和辞典で「亠(なべぶた)」のところを探しても、「片」はおそらく見つからないことでしょう。
実は、「片」はそれ字体が部首になる漢字です。「木」の部首は「木」、「言」の部首は「言」であるように、「片」の部首は「片」なのです。「木」や「言」がメジャーな部首なのに対して、「片」はあまり知られていないだけです。
マイナーな部首とはいえ、「片」を部首とする漢字には、よく知られたものがいくつかあります。たとえば「出版」の「版」。「麻雀牌(マージャンパイ)」の「牌」。「符牒(ふちょう)」の「牒」。これらはみな、「片」が部首なのです。
「片」は本来、木を2つに割った右半分を表す漢字です(ちなみに、左半分は「爿」)。そこでこれを部首とする漢字は、薄い木に関係する意味を持っています。「版」は、昔、印刷に用いた木の板ですし、「牌」や「牒」はもともとは木のふだを意味していたのです。
漢和辞典には必ず、部首の一覧表が付いています。それを眺めてみると、マイナーな部首がたくさんあることに気づくでしょう。「甘」「生」「用」は、いずれもその字自体が部首です。そんな部首を発見することは、ちょっとした驚きであるはずです。
この機会に、漢和辞典に親しんでみてはいかがでしょうか。