以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。
Q0178
「占地」と書いて、何と読むのですか?
A
これは、シメジですね。「香りマツタケ、味シメジ」というときの、あのおいしいキノコのシメジのことです。「占」は、「うらなう」という読み方以外に、「占める」と書いて「しめる」と読む場合があります。「占地」をシメジと読むのは、この「しめ」から来ているのに違いありません。
シメジを漢字で書く書き方には、他に「湿地」があります。こちらはおなじ「しめる」でも、水気を帯びることを表す「湿る」から来ていると思われます。キノコとは湿気の多いところに生えるものでしょうから、こちらの表記にはひょっとすると根拠があるかもしれませんが、「占地」の方は、純然たる当て字と考えてよいでしょう。
ちなみに、同じキノコでも、おみそ汁に入れるとおいしいナメコの方は、漢字では「滑子」と書きます。ナメコのナメというのは、あのぬらぬらした感じを表すことばで、一方、「滑」という漢字は「すべる」という意味ですから、「滑子」の場合は、当て字ではないと思われます。