以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。
Q0146
カタカナの「ネ」(しめすへん)に「豊」と書いてレイと読む漢字がありますが、パソコンではどのようにすれば表示できますか?
A
この漢字は、常用漢字では「礼」という字体で表現される漢字で、いわゆる旧字体では、「禮」となります。この字体の「示」の部分が、手書きの場合に崩されて、カタカナの「ネ」のようになったのが、問題の漢字ということになります。
従って、この字体は常用漢字の新字体でもなければ、旧字体でもなく、いわばその中間のような存在ということになります。どっちつかずといえばどっちつかずですが、またそこが愛らしいといえば愛らしい漢字です。
この漢字は、その性格ゆえにJIS漢字やユニコードには収録されていないのですが、そんなに珍しい漢字というわけでもなく、写真のような街中の看板や、人名などで見かけることがあります。
この漢字をパソコンで扱うには、Q0144でもご紹介したような、外字のパッケージをご利用になってみるのがよいかと思います。Q0144でご紹介したパッケージのうち、イースト株式会社の「人名漢字1500」、ダイナコムウェア株式会社の「DynaFont人名外字」には、問題の漢字が収録されているようです。
このような、JIS漢字やユニコードに収録されていない漢字を表示するその他の方法としては、「今昔文字鏡」や「超漢字」といったソフトウェアを使うことも考えられます。ここでは詳しくは紹介しませんが、ご興味のある方は、インターネットで検索してみてはいかがでしょうか。