当館では、『大漢和辞典』を始めとする漢和辞典を発行する大修館書店が、漢字や漢詩・漢文などに関するさまざまな情報を提供していきます。

新刊特集

新刊紹介

『なぞり書きで脳を活性化
画数が夥しい漢字121』

大修館書店HP商品ページへ

一番画数の多い漢字はどんな漢字でなんと読む?

 

 多くの人の好奇心を引きつけてやまない問いに対して、WEB上にはたくさんの答えが見受けられます。

 本書はその答えの1つとして「収録漢字数5万字を超える大漢和辞典に掲載された漢字の中で、最も画数の多い64画から32画までの121字」を「画数が夥しい漢字」として抽出し、1冊にまとめたものです。

 漢字の読みや意味はもちろん、PCなどの電子デバイス上で表示できるようにunicodeをつけました。「こんな漢字が変換できるのか」という驚きと楽しさを味わえます。

 実際に書いていただけるように、なぞり書きのマスも大小2種類ご用意しました。「薔薇」という字がさらりと書けたことで恋が成就したという作家がいるとかいないとか。複雑で呪文のような字形を持つ「画数の多い漢字」をなぞり書きして、脳を活性化させてください。

 大漢和辞書の中で最も画数の多い漢字は64画「龍4つ」。インパクトが強烈なこの字は、人名に使われたり、方言と結びついたり、略字化されたりといったことがわかっています。こうした編著者の最新研究に基づく蘊蓄が、「ささひろ・ポイント」というコラムとしてまとめられています。

 眺めるだけでも、実際に書いてみても楽しい「画数の夥しい漢字」。本書でぜひご堪能ください。

 

大塚貞男先生(京都大学医学部附属病院)コメント

笹原先生の漢字に関する深淵な知識・理解に気軽に触れられる書籍だと思います。
現代社会において、デジタル機器を使った読み書きのスキルは益々重要になってきていますが、読み書き能力の発達の観点では、手書きを続けることも非常に有益だと考えられます。本書に収載されている漢字の複雑な字形を眺めながら「ささひろ・ポイント」の解説を読んでいると、書いてみたいという欲求が自然と湧いてくるのを感じました。

*大塚貞男先生は、漢字の手書きと言語能力の関係について研究をされています。研究プロジェクトやその成果は下記からご覧ください(別のサイトへリンクします)。

漢字の手書き習得が高度な言語能力の発達に影響を与えることを発見 -読み書き習得の生涯軌道に関するフレームワークの提唱-

京都大学×漢検 研究プロジェクト 

 

笹原宏之先生と大塚貞男先生の手書きに関する対談が読めます

漢検(日本漢字能力検定協会)発行『漢字ジャーナル』

 

編集から

 「近刊先読み」のページでは、本書の目次をunicodeを使って作成しています。編集のPCでは問題なく表示されたのですが、お使いのデバイスによってはほとんどが文字化けしてしまっているようで、申し訳ありません。こちらの新刊紹介のページでは、目次はPDFのみで表示いたします。

目次

 序文

 32画から64画(PDFでご覧ください)
 
 おまけ漢字(8字)

 【付録】手書きのポイント/筆順解説/部首解説

*青字の部分は、クリックすると紙面が読めます。

著者

笹原宏之(ささはら ひろゆき)

1965年、東京都生まれ。早稲田大学社会科学総合学術院教授。博士(文学)。早稲田大学第一文学部卒業後、国立国語研究所主任研究官等を経て現職。2007年第三十五回金田一京助博士記念賞受賞、2017年第11回立命館白川静記念東洋文字文化賞優秀賞受賞。

主な書著

『日本の漢字』(岩波新書、2006)、『訓読みのはなし』(光文社新書、2008・角川ソフィア文庫、2014)、『漢字の現在』(三省堂、2011)、『方言漢字』(角川選書、2013・角川ソフィア文庫、2020)、『漢字に託した「日本の心」』(NHK出版新書、2014)、『漢字の歴史』(ちくまプリマー新書、2014)、『日本人と漢字』(集英社インターナショナル、2015)、『謎の漢字』(中公新書、2017)、『漢字ハカセ、研究者になる』(岩波ジュニア新書、2022)、『漢字はコワくない クイズ120問』(東京新聞、2022)ほか。

*著者紹介の情報は書籍刊行時のものです。

 

  • facebookでシェア
  • twitterでシェア