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新刊紹介

『三国志演義事典』

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正史との違いが一目瞭然!画期的な総合事典

魅力溢れる英雄たちや珠玉の名場面など、『三国志演義』のすべてを凝縮した総合事典。演義独自の創作部分は、書体を変えて一目でわかるようになっているので、正史との違いを味わうという楽しみ方も!

著者メッセージ

 わたしは、2017年に『三国志事典』を出版しました。客観的な事典ではなく、主観的な「事典」と踏ん切りをつけ、それまでの自分の三国志研究の成果を事典としてまとめてみたのです。幸い好評を得て版を重ねるうち、『三国志演義』との違いを明確にして欲しいという要望を耳にするようになりました。
 『三国志演義』については、敬愛する沈伯俊先生の『三国演義大辞典』(中華書局、2007年、譚良嘯先生との共著)があり、その旧版の一部は、立間祥介・岡崎由美・土屋文子(編訳)『三国志演義大事典』(潮出版社、1996年)として翻訳もされています。ただ、昨年、沈伯俊先生が道山に帰され、『三国演義大辞典』が、更新されることは無くなりました。
 また、仙石知子さんが『毛宗崗批評『三国志演義』の研究』(汲古書院、2017年)という『三国志演義』に関する本格的な研究書を出版しました。これは、それまでの研究が、『三国志演義』の版本をめぐる問題を中心としていたことに対して、『三国志演義』の文学としての内容や表現の分析を行い、そこに反映している中国近世の思想状況を考察した優れた研究書です。こうして、『三国志演義事典』の中核に仙石さんの研究を据えれば、沈伯俊先生の『三国演義大辞典』とは別の新しさを持った『三国志演義事典』が書けるのではないかと思い、仙石さんに共に執筆いただくことをお願いしました。
 したがって、『三国志演義事典』の白眉は、仙石さんが担当した「名場面四十選」にあります。もちろん、事典としての機能を果たすため、人名辞典を附し、『三国志演義』と正史『三国志』との違いが、『三国志演義事典』だけでも分かるようにしました。さらに、すでに『三国志事典』をお持ちの方のために、人物の並べ順を『三国志事典』に揃えることで、二つの事典を比べることにより、『三国志演義』と正史『三国志』との違いが明確になるよう心がけました。また『三国志演義』のおもしろさを支える戦いの諸相には地図を附し、具体的な動きを整理し、さまざまな謀略も網羅しました。また、『三国志演義』の普及に大きな影響を持った関帝信仰についても一章を割き、その展開を整理しました。『三国志事典』と『三国志演義事典』の二冊をあわせることで、「三国志」の全体像を提供できるようになったと考えております。

(渡邉義浩/『漢文教室205号』p.24より転載)

主要目次

第Ⅰ章 『三国志演義』の形成とその展開

『三国志』と裴松之注 / 蜀漢正統論の形成 / 「三国志」物語の形成 / 『三国志演義』の形成 / 毛宗崗批評『三国志演義』(毛宗崗本) / 『三国志演義』の展開

第Ⅱ章 英雄たちの時代

第Ⅲ章 魏の人物   
  ◆ 曹氏の絶嗣 

第Ⅳ章 蜀の人物   
  ◆ 趙雲の縁談 

第Ⅴ章 呉の人物   
  ◆ 陸遜を救った者 

第Ⅵ章 後漢・西晉の人物   

第Ⅶ章 名場面四十選

①桃園結義 / ②乱世の奸雄 / ③督郵を鞭打つ / ④呂伯奢殺害事件 / ⑤酒の温かいうちに / ⑥孫堅の横 / ⑦美女連環の計 / ⑧曹操の不義 / ⑨許田打囲 / ⑩酒を煮て英雄を論ず/ …… / ㊱八卦の陣 / ㊲木牛流馬 / ㊳葫蘆谷の戦い / ㊴丞相 天に帰す / ㊵諸葛瞻の母

第Ⅷ章 戦いの諸相

①汜水関の戦い / ②虎牢関の戦い / ③磐河の戦い / ④徐州大虐殺 / ⑤兗州攻防戦 / …… / ⑯街亭の戦い(第一次北伐)/ ⑰陳倉の戦い(第二次北伐)/ ⑱武都・陰平の戦い(第三次北伐 / ⑲第四次・第五次北伐 / ⑳五丈原の戦い(第六次北伐)

第Ⅸ章 謀略と表象

①美女連環の計 / ②二虎競食の計 / ③駆虎呑狼の計 / ④十面埋伏の計 / ⑤八門金鎖の陣 …… / ⑬英雄の武器 / ⑭関羽と青龍刀 / ⑮赤兎馬 / ⑯兵陰陽家 / ⑰天文占 / ⑱六丁・六甲 / ⑲七星壇/ ⑳八陣図 

第Ⅹ章 関帝信仰

①神になった英雄 / ②仏教寺院の守護神/ ③武神 / ④塩池の神 / ⑤元帥神 / ⑥水神 / ⑦儒神 / ⑧国家の守護神 / ⑨善書とおみくじ / ⑩関帝のお裁き

第Ⅺ章 資料集

各時代の勢力全体図 / 三国年表 / 故事成語 / 系図

索引

人名索引 / 事項索引

著者紹介

渡邉義浩(わたなべ よしひろ)
1962年、東京都生まれ。文学博士。
早稲田大学理事・文学学術院教授。大隈記念早稲田佐賀学園理事長。著書に、『三國政権の構造と「名士」』(汲古書院)、『三国志よりみた邪馬臺國』(汲古書院)、『三国志事典』(大修館書店)などがある。

仙石知子(せんごく ともこ)
1971年、東京都生まれ。博士(中国学)・博士(文学)。
早稲田大学文学学術院講師。著書に、『明清小説における女性像の研究』(汲古書院)、『毛宗崗批評『三國志演義』の研究』(汲古書院)、「『三国志』の女性たち」(山川出版社、渡邉義浩と共著) がある。

*著者紹介の情報は書籍刊行時のものです。

 

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