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新刊特集

新刊紹介

『石川忠久 漢詩の稽古』

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石川忠久漢詩の稽古

石川忠久先生の漢詩作詩講座を一冊に凝縮!

旅先で感動した風景を漢詩で表現するには?
「高層ビル」「クリスマス」は漢詩にどう詠みこむ?
──漢詩の作法から上達のコツまで、漢詩研究・実作指導の第一人者である著者が弟子の作品を添削する形で伝授。指導のポイントをまとめた稽古索引、作詩にかかわる用語集など付録も充実。具体的で分かりやすい指導で、独習にも最適。

著者メッセージ

 〈前略〉漢詩を作る人、これから作ろうとする人たちに是非読んでいただきたいと念じている。
 思うに、戦後漢字を制限し、漢文をはじめ古典の教育を疎かにした結果、漢詩を作るという、古来の、殊に江戸以来の風雅な道が消滅に瀕してしまった。日本文化を形成する土台が薄くなった、と言うべきであろうか。「狂きょう瀾らんを既き倒とうに廻めぐらす」という言葉があるが、何とかこの退勢を回復したいのが、私の念願である。〈後略〉(「はじめに」より)

主要目次

1 和語を用いない[夏・海/尤韻]
2 和習の表現に気をつける[夏・蝉/元韻]
3 場面に合った描写をする[夏・山行/冬韻]
4 生かし切れない趣向はあきらめる[秋・箱根/尤韻]
5 起句と結句を呼応させる[紅葉・東韻]
6 前半で舞台を整え、後半の情を引き出す[冬・酒/陽韻]
7 作中人物に不自然な行動をさせない[初冬/冬韻]
8 理屈に合わない発想は慎む[残雪/東韻]
9 起句・承句の流れを練る[感傷・酒/真韻]
10 適切な語に改め韻を換える[刀/陽→蒸韻]
11 内容に合わせて題を変える[梅雨/麻韻]
12 盛りだくさんの着想の詩を二首に作り直す[初夏・雨/微韻]
13 盛りだくさんの着想の詩を二首に作り直す[初夏・雨/陽韻]
14 主題に適した詩語を配する[寺・坐像/真韻]
15 情景を単純化し、心情を印象的に訴える[雉/庚韻]
16 有名な詩の言葉を用いてその趣を取り込む[桃・鶯/陽韻]
17 場面を整えた上で新発想を際立たせる[七夕・尤韻]
18 言葉の重複を避ける[春景/先韻]
19 主題を生かすための舞台を作る[夏・亀/先韻]
20 「サンタクロース」を適切に表現する[クリスマス/東韻]
21 その土地らしさを出す[バリ島/陽韻]
22 その土地の事物を詠み込む[トルコ/麻韻]
23 次韻によって唱和する詩を作る[次韻/麻韻]
24 フィクションとして、最適の場を設定する[モンゴル/虞→魚・虞通韻]
25 強調した描写・表現でパンチを効かせる[詠史・懐古/真韻]
26 過去と現在の対比を鮮明にする[詠史・懐古/尤韻]
27 前半・後半の流れに留意する[詠史・懐古/真韻]
28 適切な語に改め、韻を変える[元旦/灰→東・冬通韻]
29 主題にふさわしい語を選ぶ[慶賀/歌韻]
30 語の意味やつながりに留意する[慶賀/真韻]
31 人物の人となりを詠みこむ[再会/陽韻]
32 題詠を重ねたのち、時事の詩に挑戦する[災害・灰韻]
33 史実を効果的に踏まえる[詠史・懐古/刪韻]
34 同字を意識的に使う[詠史・懐古/微韻]
35 視覚・聴覚を動員して今昔の対比を出す[詠史・懐古/陽韻]
36 「誰も気づかない捉え方」が詠史のコツ[詠史・懐古/青韻]
37 故事を踏まえて情景に深みを出す[閨恐/真韻]
38 伏線を張って効果を出す[夏・夢/陽韻]
39 もっと適切な素材がないか検討する[七夕/支韻]
40 斬新な発想を生かす[茸狩り/先韻]
41 用いる言葉の意味、雰囲気に気をつける[月見/歌韻]
42 特徴的な情景を的確に表す[シドニー・月/陽韻]
43 雅な言葉で雰囲気を高める[発覧・月/灰韻]
44 同じような形容語を避ける[夢・キリスト/支韻]
45 それぞれの事物に合った形容をする[クリスマス/灰韻]
46 固有名詞をの字面の効果を考える[山茶花/文韻]
47 結句を生かす、一字の効果[山茶花/寒韻]
48 季節を表す語は重複を避けて適度に用いる[山茶花/麻韻]
49 理にかなった言葉の流れを[雪・月/侵韻]
50 言葉の重複に注意する[年末・送別/寒韻]
51 既にわかっていることはわざわざ言わない[年末/真韻]
52 副詞の使い方に気をつける[年末・麻韻]
53 儀礼的な詩を作る[中国・会合/真韻]
54 意見の詩もやんわりとした調子で[送別/真韻]
55 疑問形で余韻を出す[山川/侵韻]
56 固有名詞を生かす[小諸城/歌韻]
57 景物にふさわしい語句を用いる[冬・亀/尤韻]
58 特殊な語の例は参考にしない[浦島伝説/支韻]
59 絶句を律詩に仕立てなおす[春雨/庚韻]
60 律詩の対句は「虚」と「実」の組み合わせで妙味を出す[秋・月/尤韻]
61 副詞が多くならないように[春・閑適/青韻]
62 対句が平板にならないようにする[春・酒/青韻]
63 当たり前の描写に一工夫を[花見の宴/真韻]
64 「あえて問う」ことの効果[春・訪友/元韻]

【コラム】
門人の稽古場
 一 作詩のヒント
 二 古典を利用した作詩
 三 作詩の順序

【付録】
図説 平仄式
 七言絶句
 五言律詩
用語解説・索引
稽古索引
作詩のための参考文献

おわりに

著者紹介

石川 忠久(いしかわ ただひさ)
1932年 東京都生まれ。東京大学文学部中国文学科卒業。同大学院修了。文学博士。現在、二松学舎大学顧問。二松学舎大学名誉教授。桜美林大学名誉教授。(公財)斯文会理事長、全国漢文教育学会会長、全日本漢詩連盟会長。元日本学術会議会員。
主な著書に、『漢詩を作る』『石川忠久 漢詩の講義』『日本人の漢詩』『漢詩人大正天皇』『大正天皇漢詩集』(大修館書店)、『石川忠久 中西進の漢詩歓談』(共著・大修館書店)、『漢詩の魅力』(ちくま学芸文庫)、『漢魏六朝の詩』(明治書院)、『漢詩鑑賞事典』(講談社学術文庫)、『書で味わう漢詩の世界』(書:吉沢鉄之・二玄社)、『東海の風雅』『茶をうたう詩 『詠茶詩録』詳解』『江都晴景 わが心の詩』(研文出版)、『身近な四字熟語辞典』『楽しく使える故事熟語』(文春文庫)、『漢詩と人生』(文春新書)などがある。

※著者紹介は書籍刊行時の情報です。

読者の声

・漢詩実作指導の大先達、石川先生の真骨頂。『漢詩を作る』『漢詩の講義』を座右に詩作を試みるも、なかなか思うようにいかない。本書に出会い、勘どころがわかり、まさに目からウロコ。索引も含めて、かゆいところに手がとどく内容。(神奈川県 60代 男性)

・すべて例を示して具体的に説明している点、極めて分かりやすい。こうした本はこれまでにないのではないか。経験の豊かさを感じさせる。末尾に索引をはじめ平仄の配列を示したことも、その部分が「作詩必携小辞典」となっている。すばらしい著作である。(栃木県 80代 男性)

・普通の研究書や論文と一味違う親しみやすさがある。漢詩の作詩教室の現場に居るような臨場感が得られてうれしい。極言すれば読者参加型の読本とも言い得る。(千葉県 60代 男性)

・石川忠久先生の受講生が作詩をした原詩が指導を受ける毎に纏まっていく過程が石川先生の解説により具体的に分かり、大変勉強になります。然も夫々の字の脇に平仄の印が付してあり、初心者にとって詩作の勉強になる、絶好の漢詩の稽古となる書籍です。(福島県 60代 男性)

・碩学の石川先生の理にかなった添削の仕方に、目からウロコの落ちる感になり、我が自作の作品にも大いに役立ちます。(岡山県 70代 男性)

・漢詩を始めて約5年になりますが、いまだに押韻、平仄にあくせくする状態で起承転結のある詩の構想を得ることができず、足踏み状態です。結句が大事だと判っていますが、どのように起承転結を発想し、結句に導くべきか判らず悶々としていましたが、この本を読み、まず結句を決めてから、起、承、転の輪廻をじっくり考えるべきとの教えに接し、なんとかもう一度チャレンジできそうに思いました。(栃木県 60代 男性)

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