漢文の授業づくりを徹底サポート!
「誰でも教えられる漢文」をめざし、漢文指導のノウハウをわかりやすく示すテキスト。新人教師はもちろん、漢文指導に悩むすべての先生が、確かな授業力をつけられる実践的ヒントを満載。実例付で示す板書・ノート指導、漢字・辞書指導に加え、実力評価テスト、句法一覧、漢詩のきまり、Q&Aなど、すぐに役立つ資料も充実。
著者メッセージ
ツカダ先生がすすめる5つの指導法
1 まずは声に出して読む!
音読に重点を置いて授業を組み立てましょう。読めれば「4割」理解できているのが漢文です。
2 訓読には「ゆれ」があるのが当たり前。
小学校で暗記してきた『論語』、教科書の訓読と違って戸惑うことはありませんか。ルールがわかればいちいち驚くことはありません。
3 書き下し文・訳を学習目標にしない。
現代語訳が「口語訳」なら、書き下し文は「文語訳」。いずれも内容理解に向けた学習のプロセスです。
4 不完全な板書を心がける。
すべて書いてしまうのはもったいない。生徒が自力で調べる余地を残しましょう。
5 ノート添削は授業を映す鏡。
生徒のノートを見ると、授業の何が伝わったか、伝わらなかったかがわかります。評価の対象とせず、気長にキャッチボールを楽しみましょう。
(本書カバーより)
主要目次
第1章 漢文指導の基礎・基本
漢字の音訓にこだわる
字音のいろいろ
字訓のいろいろ
もう送り仮名に迷わない!
返り点指導のポイント
書き下し文指導のポイント
第2章 漢文指導の実践〈準備編〉
教材研究の十箇条―すべては教材研究のために
注釈書はこう使おう!―参考文献の上手な使い方
音読・暗唱の意義と指導上の注意点―暗唱のための暗唱に終わらせないために
ノート指導の要点―ノート添削で生徒とキャッチボール
辞書指導の効果的な方法―生徒の実態に即した指導を
第3章 漢文指導の実践〈教材編〉
国語総合のタイムテーブル
「矛盾」の授業に向けて―教材研究の具体的な手順
「先従隗始」の授業に向けて―教科書をフル活用する授業
「臥薪嘗胆」の授業づくり―史伝のおもしろさが伝わる授業に
漢詩の授業に向けて―想像力を生かす授業の工夫
『論語』の授業に向けて―教えすぎない授業を目指して
「人面桃花」の授業に向けて―現代語訳の基礎知識
「雑説」の授業に向けて―教材の魅力を発見する授業を
◆実力評価テスト
1 故事成語/2 史伝/3 唐詩/4 思想/5 文章/6 入試演習
資料編
漢文を読むために/基本句形の整理/漢詩を読むために
漢文重要語彙/故事成語
漢文教育に取り組む先生のためのブックガイド
困ったときのためのQ&A
語句・事項索引
著者紹介
塚田 勝郎(つかだ かつろう)
1952年、新潟県生まれ。東京教育大学卒業。埼玉県立熊谷高等学校、同新座北高等学校勤務を経て、現在、筑波大学附属高等学校教諭。全国漢文教育学会常任理事。高等学校用国語教科書(大修館書店)の編集に長年携わる。共著に『漢文名作選[第2集]1 古代の思想』(大修館書店)、共編に『現代漢語例解辞典』(小学館)がある。
※著者紹介は書籍刊行時の情報です。