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『書道故事成語辞典』

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書道・文房四宝に関する明言・名句1500余を収録!

中国歴代の書論や史書・詩文などから、書法や文房四宝・書家に関する故事成語1500余を収録した、まったく新しいタイプの必携辞典。
従来の漢和辞典や名言名句辞典・墨場必携には採られていない味わい深い語句を多数収録。原文・解説・出典を加え、歴代書家800余名の人物小伝も付す。

本書の特色

●1 中国歴代の書論や史書・詩文等から、書法や文房四宝に関する故事成語1500余を収録。
●2 書き下し文の見出し語(五十音配列)には、[ ]内にその原文を示し、解説・出典(読み易い書き下し文で原文を収録)を加えた。
●3 従来の辞典類には採られていない語句を多数収録。
●4 書に関係の深い800余人を収録した「人物小伝」を付した。「書道人名辞典」としても活用できる。
●5 巻末に、収録語句の「原文索引」を付した。

項目例 (ア行より、項目・解説のみ抜粋)

敢て手に触れず[不敢手觸]
手にさわれない。作品がすばらしく、さわりたくなるのを我慢できないほどである。

青は藍より出づ[青出於藍]
染料の青色は藍草からできるがそれよりも深い色となる。弟子が師より、後人が先人よりまさることを比喩。『荀子』勧学篇「青は藍より出でて藍より青し」による。

青は疑りて藍を過ぐ[青疑過藍]
→青は藍より出づ。

浅きこと流霧の如く、濃やかなること屯雲の若し[淺如流霧、濃若屯雲]
流れる霧のように浅かったり、屯まる雲のように濃かったりする。飛白の用筆と墨色の軽重変化を形容。

朝に筆を執りて暮に轍に合う[朝執筆而暮合轍]
朝、筆をもって、夕には軌道に乗る。学書には性急を求めることをいう。

脚を伸べ手を挂く[伸脚挂手]
自由に足をのばし手をあげる。書法の筆画が勝手気まますぎることを形容。

汗を揮い凍を呵く[揮汗呵凍]
炎熱の夏には汗をふるい、寒冷の冬には凍りつく筆硯に息を吹きかけて書写する。常に字を書き、寒暑をいとわないことを形容。

価の貴きこと連城より重し[價貴重連城]
多くの城に匹敵する値打ちがある。書画の非常に珍重高貴なことを形容。

価の賤きこと瓦礫に同じ[價賤同瓦礫]
値打ちが瓦や小石のように低く、一銭の値打ちもない。瓦礫より価値が低い。きわめて価値の低い作品を形容。

霆も発るに暇あらず、電も飛ぶに及ばず[霆不暇發、電不及飛]
かみなりもおこる暇がなく、いなずまも飛ぶに至らない。書写が非常に速いことを比喩。

池に臨みて書を学び、池水尽く黒し[臨池學書、池水盡黒]
学書に励精し、硯を洗う池の水が墨のように黒くなる。漢・張芝の故事により、学書に刻苦することを形容。また王羲之の故事ともいう。

池に臨みて書を学び、水之が為に墨たり[臨池學書、水爲之墨]
→池に臨みて書を学び、池水尽く黒し

石に就きて字を学ぶ[石就字学]
石の上に字をかいて書法を学習する。宋の韓琦の故事。

衣裳を顛倒す[顛倒衣裳]
上衣と下裳をあべこべにつける。作品評に意味の転倒した誤りがあることを比喩。

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