褒めたたえたいこの思い、どう伝える!?
絶賛したいのに、うまく伝える言葉が見つからない。いつも同じような褒め言葉になってしまったり、なぜか「上から目線」になってしまったりすることも……。そんなお悩みに寄り添い、褒める気持ちを伝えるための言葉選びをサポートする辞典です。
高く評価する言葉、好感を表す言葉、褒め言葉をより強調したり補ったりする言葉など、褒める文脈で使われる言葉を、2000項目以上収録。用例や、注意したい言葉の使い方の解説、類語が視覚的にわかる「絶賛マップ」などとあわせて、場面や相手に合った褒め言葉を選べるようにしました。
日常の会話やメール、ビジネスはもちろん、結婚式などのスピーチ、推し活(推しを褒めるときにも、まわりの人への「布教」にも)、自己アピール(自分を褒めるのって難しいですよね)など、さまざまなシーンでぜひご活用ください!!
著者メッセージ
誰かを、何かを褒めると、その気持ちが自分に返ってきて、豊かで満たされた思いに包まれます。いいな、応援したいな、みんなにもすすめたいなと感じたら、全力で褒めましょう。でも、「やばーい」「かっこいー」、後は「キャーッ」くらいで済ませたらもったいない。どこが、どんなふうに、なぜ褒めるに値するのか、そこをちゃんと押さえて呼びかけませんか。少々難はあるけれど何とかして褒めてあげよう、という心遣いもあっていい。そんなときに役立ちそうな言葉を集めてみました。
褒め言葉の裏側にマイナスのニュアンスが隠れている場合もあります。雰囲気がいいのを「洒落てるね」と褒めたら軽薄さを皮肉られたと誤解されたり、興味を引かれて「面白いよ」とコメントしたら笑い事じゃないと腹を立てられたりするかもしれません。また、「褒める」というのは他人を評価することにつながります。先生でもない人から点数を付けられるのは、たとえ百点でもあまりいい気分はしません。直接すぎる褒め言葉は相手を傷つける場合もあるでしょう。
相手の心に響く、翻って自分の胸も幸福感で温かくなるような褒め方を探してみませんか。
(「はじめに」より)
本書で取り上げる「絶賛語」の例
いいかんじ【好い感じ】
→味わい・オーラ・こなれる・好ましい・妙なる・風情……
うまい【上手い】
→鮮やか・お手の物・巧妙・巧み・妙技……
エモい〔新〕
→味わい深い・感慨深い・情緒的・胸が熱くなる……
★がんばる【頑張る】
→汗を流す・堅忍不抜・精進・タフ……
★きんだん【禁断】〔新〕
→ギルティー・罪深い・背徳・やみつき……
くうきがよめる【空気が読める】
→気が付く・心づかい・察しがいい・忖度・配慮……
★さすが
→裏切らない・期待通り・面目躍如……
だいいちにんしゃ【第一人者】
→一番手・エース・権威・大家・泰斗・白眉……
★なける【泣ける】
→熱い物が込み上げる・ぐっと来る・号泣・涙腺崩壊……
ばんのう【ばんのう】
→オールマイティー・三拍子そろった・多才・マルチ……
りっぱ【立派】
→圧倒・押しも押されもしない・重厚・雄大……
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目次
はじめに
分類からさがす見出し語一覧
『絶賛語辞典』について
辞典本文
五十音索引
著者
関根健一(せきね けんいち)
1957年生まれ。同志社大学法学部、立教大学文学部卒業。日本新聞協会用語専門委員。元読売新聞東京本社編集委員。元文化審議会国語分科会委員。大東文化大学非常勤講師。2022年に文化庁長官表彰を受賞。著書に『文章がフツーにうまくなる とっておきのことば術』『品格語辞典』『無礼語辞典』(大修館書店)、『なぜなに日本語』(三省堂)、『ちびまる子ちゃんの敬語教室』(集英社)など。『明鏡国語辞典 第三版』編集・執筆協力者。
イラスト
いのうえさきこ
漫画家。『問題な日本語』(大修館書店)シリーズでは、小学生から90代まで、幅広い層の人気を集める。著書に『いのうえさきこのだじゃれ手帖』(集英社)、『私、なんで別れられないんだろう~脳が壊れた彼との日々~』『どうぞごじゆうに ~クミコの発酵暮らし~』(以上、秋田書店)など。
*著者紹介の情報は書籍刊行時のものです。
大好評シリーズ
品格ある大人の言葉選びをサポート
『品格語辞典』
関根健一 監修/大修館書店編集部 編
ISBN978-4-469-02124-0
四六判・304頁
定価:1,980円(税込)
相手を不快にさせない言葉選びをサポート
『無礼語辞典』
関根健一 著/大修館書店編集部 編
ISBN 978-4-469-22279-1
四六判・256頁
定価:1,980円(税込)