中国古典に登場する個性豊かないきものたち
中国古典(漢文)には実はいろいろな動物が登場します。漢字が多い、おじさんの説教が多い、と難しい印象を抱きがちな漢文ですが、動物たちが出てくるお話、作品が実はたくさんあります。
動物たちの活躍ぶりや、人間と動物の付き合い方を知ると、中国古典に親しみがわいてくるかもしれません。
※本書は「漢字文化資料館」の同名の連載に大幅に加筆修正したものです。
著者メッセージ
漢文は、堅苦しくて説教くさいおじさんばかり出てくるからと、何となく苦手意識を持っていませんか。しかし思い出してみてください。教科書に載っている漢文教材には、実は、さまざまな生き物が登場しています。<中略>いきものたちに意識を向けて読んでみると、漢文の世界が少し違って見えてくるかもしれません。この本は漢文や漢詩に出てくるいきものたちに目を留めて、漢文世界の少し柔らかい部分を一緒に味わっていくための、寄り道ばかりのガイドブックです。
(本書2ページ)
目次
第一章 狐
ずるがしこい狐たち
隠れて暮らす化け狐たち
人の友となる狐たち
幽霊と争う狐たち
墓穴に住む狐たち
第二章 虎
身近すぎる虎たち
隠れて暮らす化け狐たち
第三章 猫
思いやりのない猫たち
溺愛される猫たち
鼠を捕る猫たち
仕返しをする猫たち
語り出す猫たち
第四章 犬
声で気づく鶏と犬
ともに暮らす鶏と犬
愛犬家の犬たち
不条理な犬たち
第五章 鳥
語り出す貝と鳥
朝を告げる鶏たち
季節を告げるホトトギスたち
義理がたい鳥たち
予言をする鸚鵡たち
第六章 魚介
魚になる人たち
空を飛ぶ魚たち
不思議な貝たち
第七章 伝説の生き物
竜になる魚たちそして猫
とてつもなく大きな動物たち
水中宮殿に住まう竜たち
飼い慣らされる竜たち
第八章 その他
人を乗せる驢馬たち
ものがたりの中の猿たち
詩にうたわれる猿たち
例え話の蛇たち
付録
参考文献
原文資料
索引人名索引 / 書名索引 / 故事成語索引
著者
高芝麻子(たかしば あさこ)
1977年、神奈川県生まれ。東京大学文学部卒業、大学人文社会系研究科博士課程単位取得退学。文学博士。横浜国立大学教育学部教授。
著書に『とびらをあける中国文学 』(新典社)、『もう一度読みたい日本の古典文学』(勉誠出版)、『大沼枕山『歴代詠史百律』の研究』(汲古書院)、『未来につなげるESD 持続可能な社会を里山から考える』(全て共著)などがある。
*著者紹介の情報は書籍刊行時のものです。