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漢字Q&A

漢字Q&A

以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。

Q0028
人名に使える漢字が法律で制限されていると聞いたことがありますが、その法律とはどのようなものですか?

A

「戸籍法」の第50条に、次のような条文があります。

第50条 子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。
② 常用平易な文字の範囲は、命令でこれを定める。

これが、人名に使える文字を制限している法律の実体です。この②の「命令」とは、具体的には「戸籍法施行規則」の第60条になります。

第60条 戸籍法第50条第2項の常用平易な文字は、次に掲げるものとする。
1 常用漢字表(昭和56年内閣告示第1号)に掲げる漢字(括弧書きが添えられているものについては、括弧の外のものに限る。)
2 別表第2に掲げる漢字
3 片仮名又は平仮名(変体仮名を除く。)

これによれば、人名として使える文字としては、ひらがな・カタカナの全部と、漢字の一部分ということになります。ローマ字などは使えません。漢字の一部を詳しく見ると、1で常用漢字の新字体全て(「括弧書き」とは旧字体のこと)が含まれます。そして、残る2が、いわゆる人名用漢字と呼ばれるものとなります。人名用漢字について詳しくは、「用語集」の人名用漢字の項を参照してください。

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