当館では、『大漢和辞典』を始めとする漢和辞典を発行する大修館書店が、漢字や漢詩・漢文などに関するさまざまな情報を提供していきます。

漢字Q&A

漢字Q&A

以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。

Q0025
漢和辞典によって部首が違うことがあるそうですが、どうしてですか?

A

現在、漢和辞典の多くは、『康熙字典(こうきじてん)』を基準として部首を定めています。しかし、実際には『康熙字典』の部首にいろいろと手を加えているのが現状です。その理由は、大きく2つあります。
1つは、字体の変化によって、古い部首が有効ではなくなるケースがあるからです。たとえば、『康熙字典』で「口(くち)」部に収めている「單」という漢字は、第2次世界大戦後の国語改革で「単」という新字体を用いることになったため、そのまま「口」部に配属すると、「口がないのに口部」という妙なことになってしまいます。そこで多くの漢和辞典では、「ツ」部を新設して、「単」を始め、「営」(旧字体は「營」)、「厳」(旧字体は「嚴」)などを収録することにしています。
もう1つの理由は、『康熙字典』の部首どおりだと、検索しにくい漢字があるからです。たとえば「聞」という漢字は、「門」部に入りそうですが、「耳」に関係する文字ですから「耳」部に入ります。こういった例は、Q0023やQ0024でも取り上げたようにたくさんあります。
こういう事情で、漢和辞典によって部首が違うことがあるのですが、それでは、学校の試験や漢字検定などで困ってしまうことがあります。そこで、小社の漢和辞典の場合、『康熙字典』の部首と違う部首を採用した場合には、かならず元の部首も示すようにしています。

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