当館では、『大漢和辞典』を始めとする漢和辞典を発行する大修館書店が、漢字や漢詩・漢文などに関するさまざまな情報を提供していきます。

漢字Q&A

漢字Q&A

以前の漢字文化資料館で掲載していた記事です。2008 年以前の古い記事のため、ご留意ください。

Q0174
常用漢字に限った場合、部首のうち、一番所属文字が多いのは何ですか?

A

Q0072では、『大漢和辞典』所収の50,305字について、部首別のベスト10を発表しましたが、今回は、常用漢字1945字に限って、同じように調べてみました。ただし、部首については漢和辞典によって若干の違いがありますので、以下の数字は、あくまで小社『新漢語林』の部首に従った数字です。
1位 さんずい 103字
2位 ひと・にんべん・ひとやね(人) 98字
3位 てへん 79字
4位 き・きへん(木) 75字
5位 いと・いとへん(糸) 61字
5位 いう・ごんべん(言) 61字
7位 くち・くちへん(口) 57字
8位 しんにょう 50字
9位 つち・つちへん(土) 46字
10位 こころ・したごころ(心) 43字
驚いたことに大波乱が起きました。前回、晴れて「部首の王様」の称号を贈られた「くさかんむり」が、36字で13位と、ベスト10にも入らないという結果です。代わりに1位に輝いたのは、前回2位の「さんずい」。ただし、『新漢語林』では「水」と「さんずい」は別の部首として扱っていますので、『大漢和』にそろえる意味で「水」の6文字を足すと、合計109字となって、2位との差はさらに広がります。
同様に、前回と比較する意味では、3位の「てへん」には「手」の6文字を加える必要があります。また、同じく10位の「心」に「りっしんべん」の25字を加えると、「心」の順位は一気に5位まで上昇します。
また、「人」は前回10位から2位へと大躍進。逆に前回7位と猛威をふるった「虫」は6字で69位と惨敗。同じく前回8位の「竹」も、22字で22位と大きく順位を下げています。どうやら、現代の都会生活では、草や虫や竹は縁遠くなりつつあるようです。

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